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2020年5月23日 (土)
カテゴリ:国語の学力を伸ばす方法【実践編】
愛知県美浜町の個別指導塾、今村塾の塾長の今村です。前回の【理論編】では
①読書
②新聞
③親子での会話
が国語力を伸ばすのに重要だという話をしましたが、この3つについて詳しく説明をします。
⇒前回の【理論編】をまだ読んでいない方はこちらをクリックしてご覧ください
「やっぱり読書が一番」
まずは「読書」についてです。
学力の土台はすべて「国語(言語能力)」です。算数(数学)の文章題を解くのも国語の力が必要ですし、理科や社会のことがらを理解することも国語力が必要です。教科書を読んで理解するのにも国語力が必要になります。
そして、小学校・中学校で勉強が得意な子は、読書好きなことが多いです。
「学校で習ったことをそんなに復習していないのに、あの子はよくできる」
「あまり勉強していないのに色々なことを覚えている子」
クラスの中でもそんな子はいるでしょう。そういう子は、だいたい「本が好き」という子が多いです。普段から読書をして色々なことに興味を持ち、文章から色々なことを読み取り、論理的に考えて理解することができるので勉強に必死に取り組まなくてもよい成績がとれるのです。
逆に「ほとんど本を読まない」という子は、上記の逆で文章から読み取ることができず、論理的に考えることができないので、大きく学力を伸ばすことが難しくなります。国語の学力が弱ければ、すべての科目に影響するのです。
以上のようなことから読書はとても重要なのです。
では、どのように読書をしたらよいでしょうか?
ここでは読書に全く興味がない生徒について考えてみます。
まず、本は簡単なものから読みましょう。特に自分の好きな分野からです。好きなものならマンガでも雑誌でもかまいません。分野も何でもいいです。スポーツ・芸能人の書いた本・映画の原作などなど興味があるものにしましょう。本はお子様自身で選ぶようにしてください(保護者の方が選んだものは、子供が興味があるものとは限りません。親が読んでほしいというものは読書に慣れてきてからにしてください)。
「とにかく文章を読む習慣をつける」のです。最初は楽しみながら読んでほしいのですが、注意すべきところはきちんと文章を読むことです。雑誌・マンガなどでもよいと言いましたが、写真や絵ばかりを見て文章を読まないのはいけません。
ただ、これだけでは今まで読書に興味がなかった子どもがすぐに読書をするようにはなりません。そこで、読書をするためにオススメの方法としては、
「親も一緒に読書をする」
ということです。「子供は親の背中を見て育つ」というように両親のどちらかが読書が好きな場合、子供は小さい頃から本に親しんでいます。そういう場合、子供に読書の習慣ができやすくなります。子供に「本を読め」「勉強しろ」と言っている親がテレビやスマホやゲームばかりしているのでは、説得力が全くありません。子供に読書習慣をつけてほしければ、ご両親も一緒になって読書をしてみるとよいでしょう。○○時からは読書の時間と決めて、みんなで本を読むのもよいかもしれません。家族で本屋に行って、子供が好きな本を買いみんなで読書をするというのもよいでしょう。図書館で本を借りるのもよいですが、本屋で色々見てから自分の好きな本を買うというのも重要です。
勉強に関連してオススメできる本は、「歴史マンガ」の本です。学校にも置いてあることが多いので、借りてみてください。歴史上の人物について、分かりやすく書いてあり、文章もしっかりしていますし読みやすい本です。歴史の勉強にもなり、一石二鳥です。私も小学校時代に教室に置いてあった「歴史マンガ」を読んで、社会が大好きになりました。本を読むのに抵抗がなくなってきたら図書館に行って、色々な本を読んでみましょう。最初はジャンルが偏っても問題ないので、たくさん本を読むようにするとよいです(1週間に2冊くらいのペースで読めば、読書量はひとまず十分です)。
ただし、1つだけ注意があります。それは小学校高学年以上では読書を始めたからといって、すぐに目立った変化が表れにくいことです。目立った変化がないからといって、読書をやめることがないように注意してください。
例えば、幼児期であれば「言葉(語彙数)が増える」「文をきちんと話せるようになる」など、ハッキリとした成長が見られます。一方で、ある程度の歳になれば、そんなに急激に効果が表れるわけではありません。なので、「本当に読書をしていて効果があるのか?」と疑いたくなる時がでてきます。
でも安心してください。言語能力(国語の力)というのは見えない形で確実に成長・発達していきます。継続していくことで、どんどん力がついていきます。具体的には頭の中にイメージをえがく能力が発達していきます。学校の授業で教科書に出てくる内容や自分で本を読んでいる時に様々なイメージをすることで、学力は伸びていきます。イメージすることで思考することができるのです。最初は読書をしていてもイメージをえがく能力が弱いので、本のおもしろみを感じることができないかもしれませんが、徐々にイメージをえがく力がついて、本がおもしろくなります。そこまで粘り強く読書を続けてみてください。
夏休みの宿題で読書感想文がありますが、その時までにじっくり本を読む習慣がつくとよいですね。
子供の読書の習慣を作るには「親の協力」が不可欠だと思います。ほかっておいても読書をするようになるというのは難しいです。もし、どうしても読書の習慣を作るのがむずかしいならご相談下さい。色々な方法をご提案します。
「難しいけど効果はバツグン 新聞」
読書は一番手軽でたくさん本を読むとよいですが、語彙数を増やす、文字(活字)に触れるという意味では新聞も同じような効果が得られます。本よりも「知識の量が一気に増える」「日々の社会を知ることができる」という面では、効果が高いため、読書に慣れてきたら新聞にもチャレンジしてみることをおススメします。
以下に新聞の良い点と悪い点をまとめてみました。
「良い点」
①現在、社会で起こっていることが的確に分かりやすく書いてある
②基本的に毎朝、家に届けてくれるので常に新しく整理された内容が読める
③社会的な常識が分かる(身につく)
④情報量が多く、様々なニュースに触れることができる
「悪い点」
①文字数が限られているので、表現が悪い文章が見られる
②子供には内容が難しいものが多い(読めない漢字、意味が分からない言葉が多い)
③情報が多すぎて、何を読んでいいか慣れるまでが難しい
④ほとんど文字だけなので、読む習慣をつけるまでのハードルが高い
新聞を読み続ければ、日々の社会の動きがよく分かりますし、確実に子供たちの力になります。ただし、内容が難しいということが一番の難点です。ある程度の言葉を知っていないとなかなか読めません。質問に答えてあげられるように親も一緒に新聞を読むなどの工夫が必要になります。「新聞購読」を親子でやってみるのもよいと思います。また、テレビ欄やスポーツ面にしか興味がない子供たちにとって、社会面や1面を読むのは本当に大変です。読み方を教えてあげる必要もでてきます。
ネットの進歩によって、ご家庭でも新聞を取っていない方が増えてきています。中学校や高校の定期テストで社会科の科目で「時事問題」が出題される学校があります。今村塾では最近起こったニュースをまとめた「時事問題対策プリント」をオリジナルで作成して配布していますが、ニュースを書いてもあまりピンときていない生徒が多くなってきました。それだけ日々のニュースにふれることが少なくなってきているのかもしれません。まだ新聞に慣れていない子供にオススメなのは、子供向けの新聞を読むことです。愛知県では中日新聞ですので、中日新聞で見てみると「中日こどもウイークリー」という子供向け新聞が毎週土曜日に刊行されています。子どもたちが読みやすいように工夫されていて、親子で楽しめます。新聞を読むという習慣をつけるためには最適です。(購読料も中日こどもウイークリーは2020年現在、月額463円です)
また、「毎日読む習慣をつけたい!」という方は「朝日小学生新聞」がおススメです。塾長の今村も小学生の息子に読んでもらうために定期購読しています。
(小学生の塾生向けに新聞記事の読解問題プリントをやってもらっていますが、朝日小学生新聞の記事から出題しています)
大人も読む新聞(中日新聞など)は難しい部分があるので、無理に子供に読ませる必要はないと思います。お子様の現状に合わせてあげるとよいでしょう。(子供向けの新聞はすぐにでも読めるのでオススメできます)
また、今村塾で国語が苦手な中学生・高校生には、中日新聞の「中日春秋」という記事の内容を調べて、感想を書いてきてもらうということもおこなっています。中日春秋とは、中日新聞の一面に掲載されるコラムで、その時期に起こっている出来事やニュースを題材にして、筆者の考えや想いを交えて書かれたものです。国語の学力をつけるのはとても有効な方法です。中日新聞社からも「中日春秋 書き写しノート」というものが販売されていて、文章を書き写しているうちに自然と文章の意味を理解する力がついてきます。(もちろん分からない言葉を辞書で調べるなどの手間はかかります)新聞は工夫が必要ですが、とてもよいものなので、ぜひ活用していただきたいです。
「親子の会話が学力を上げる!?」
3つ目は「家庭での会話(親子の会話)」についてです。
国語だけのことではありませんが、一般的に成績がよいと言われる子どもの親は「子供の成長」「学校でのがんばり(成功)」「目標(課題)の達成」において、よく褒めるということが言えます。子供によいことがあれば、自分のこと以上に喜ぶのです。このことが子供の成長に大きく影響を与えるのは言うまでもありませんよね。
多くの親が、子供が小さい時に
「子供を褒める ⇒ どんどんやる気になり成長」
ということを経験していると思います。また、失敗をしても怒鳴りつけるのではなく、励ましてあげることで子供が挑戦をしたり、好奇心に任せてのびのびと好きなことをやれるのです。
ところが不思議なもので、子供が成長するにつれて、素直に褒めるということが少なくなります。また、褒めることなどを言葉にして子供に伝えないということが増えてきます。子供が部活動などで忙しくなり、また親もお仕事をするなどして、コミュニケーション自体が減ってくるということも褒めることが少なくなる原因の1つになるでしょう。
また、どうしても1つでも欠点があるとそれを指摘したくなります。例えば、中学校のテストで5科目中4科目で85点以上の点数を取ってきたとしても、英語だけ65点であれば、それを注意して他の4科目の好結果を褒めない場合もあります。これでは、子どものやる気がなくなり、なかなか成績は伸びません。少し国語とは話がそれてしまいましたが、とても重要なことです。親子の会話が子供の成長に与える影響については必ず知っておいていただきたいことです。
さて、本題の国語の学力におよぼす親子の会話の影響についてです。国語=言語と考えれば、子供が年齢が低ければ低いほど、親子の会話は重要です。親子の会話では知的な内容も含めての会話がされます。いわゆる「対話」で、一方的なものではなく、お互いが話のキャッチボールをするイメージです。
会話をすることで、言語の刺激がたくさん与えられた子供の言語能力はどんどん成長していきます。言葉をたくさん知ることができて、語彙数もどんどん増えていきます。子供が「○○って何?」という素朴な疑問を質問してきた時に、丁寧に説明してあげれば、どんどん知的好奇心が満たされて言葉を吸収していきます。幼い子どもから質問がきた時に面倒だからといって間違っても「ママはそれ知らないから分からない」で済ませたり、「自分で調べなさい!」と言うのはしない方がよいです。「一緒に調べてみようか!」と答えてあげるのがよいです。
言語能力は国語のみならず、学力全体の土台となるので会話は特に重要なのです。会話の注意点としては
①子供を傷つける言葉は使わない
②筋道の通った文章で話す
③丁寧に語りかけるように心がける
ということが重要です。
・ダメだね
・早く○○しなさい
・勉強しなさい
これらの言葉は使わない方がよいでしょう。思っている以上に勉強しなさいは否定的に子供にうけとられます。
②の筋道の通った文章とは
「主語・述語をはっきりさせる」
「適切な接続語(それで・だから・でも・なのに など)を使う」
ということです。主語・述語がないと命令口調の荒々しい文章になったり、禁止・指示を表す表現が多くなり、言語の力が発達しません。接続語を使わなければ、論理的な考えができなくなります。丁寧に語りかけることによって、言葉づかいも正しくなりますし、自然と主語や述語などを省略しなくなります。言語の力がどんどん身について、学力の土台が出来上がります。
親子の会話はどちらかと言えば、幼児期から小学校低学年くらいにとても影響がでることです。国語という科目は幼い時からの積み重ねの科目ともいえるので、早いうちから意識して会話をしていく必要があります。ですが、中学生だから遅いというわけではありません。言語能力はいつからでも発達します。時間はかかるかもしれませんが、意識していけば、どんどん国語の学力が上がるでしょう。
保護者の方も忙しいかとは思いますが、お子様とのコミュニケーションが少ないと感じられる方は、今日からお子様に語りかけてあげてはどうでしょうか?
以上が「読書」「新聞」「親子での会話」を活用した国語力を伸ばす方法の実践編です。次回は「学校のテストの点数の取り方」などについてまとめてみます。
→次回「国語の学力を伸ばす方法【まとめ】」はこちら
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